税金の豆知識
Q70 法人の均等割の金額はどうやって算定?
0view
法人住民税の「均等割」という税金があります。
「法人県民税・市民税」(住民税)の一部ですが・・
赤字でも支払わなければならない税金なんです。
1.そもそも「住民税」ってどうやって算定するの?
住民税は、以下の2つを合算して計算されます。
法人税割 | 所得(利益)に応じて課税される税金 |
---|---|
均等割 | 所得に関係なく、会社規模に応じて課税される税金 |
赤字でも支払わないといけないので、意外とインパクト大きいですよ!
2.金額はどうやって算定?
均等割の金額は、県と市でそれぞれ異なります。「資本金等の額」及び「従業者の数」という「法人の規模」を示す2つの指標で金額が決められています。
(例)兵庫県・神戸市のケース
(兵庫県)
区分 | 均等割額 |
---|---|
資本金等の額 | |
1,000万以下 | 22,000円/年 |
・・・ | ・・・ |
(神戸市)
区分 | 均等割額 | |
---|---|---|
資本金等の額 | 従業者数の合計 | |
1,000万以下 | 50人超 | 120,000円/年 |
50人以下 | 50,000円/年 | |
・・・ | ・・・ | ・・・ |
3.「資本金等の額」って何?
指標の1つ、「資本金等の額」って・・・いったい何のことを指すのしょう?
簡単に言うと、法人税申告書の別表5(1)Ⅱの「差引合計欄」の金額です。
「無償減資」や「無償増資」は含まれません。
(資本金等の額)
区分 | 資本金 |
---|---|
+ | 新株発行・自己株譲渡による払込額(資本金部分を除く) |
+ | 新株予約権行使による増加額(新株予約権簿価) |
+△ | 組織再編成等による増減額 |
△ | 資本払戻しによる減少額 |
△ | 自己株式取得による減少額 |
最近、改正が行われた箇所ですので、ちょっと注意が必要です。
詳しくは、「資本金等の額って何?」を参照ください。
4.「従業者の数」って何?
2つ目の指標、「従業者の数」って・・いったい何のことを指すのでしょう?
① アルバイトや役員・日雇い労働者含む
給料の支払を受ける従業員に加えて、パートや役員等も含みます。
なお、アルバイト等の人数については、直近月の総勤務時間数÷170hで算定した人数でもOKとなってます(小数点以下の端数人数は「切上」)。
② 期末日で判断
従業者数は、期末に在籍している人数で判断します。
例えば、期中で事業所を閉鎖した場合は、期末従業員「ゼロの欄」の均等割額となります。閉鎖しても、均等割がゼロになるわけではありませんので、ご注意を
(閉鎖するまでの月数に対する均等割は、支払が必要です)
また、「均等割」の従業者数と、「法人税割」の従業者数は微妙に異なりますので、下記6を参照ください。
③ 予定申告の場合の均等割の従業者数は?
「中間決算日末」の従業員数を利用します。
5.均等割は月割?
例えば、設立年度や、期中に「事業所の開設・閉鎖」がある場合、均等割は、12か月分ではなく「月割り」となります。しかも、端数の日数は切り捨ててくれます。
(ただし、1か月未満の場合は、「1か月」となります)
(例 3月決算)
パターン | 日数 | コメント |
---|---|---|
7月10日に設立開業 | 9か月と21日 | 21日切捨て ⇒9か月分となります |
3月31日に設立 | 1日 | 1か月未満のため1か月分 |
5月15日に大阪市 ⇒神戸市に移転 |
大阪市・・1か月と15日 神戸市・・10か月と16日 |
・大阪市・・15日切捨て⇒1か月分 ・神戸市・・16日切捨て⇒10か月分 |
つまり、移転や閉鎖は、(月末日でなく)月中の方が「1か月分」お得なんですね。
6.~ご参考~「法人税割」の従業者数は?
均等割の「従業員数」と、微妙に計算が異なります。大きな違いは以下です。
(1) 閉鎖等の場合は、閉鎖「前月末」の従業者数で計算し、端数は「切上」
(2) 従業員数は、あくまで頭数(アルバイトの人数は170Hで割らない)
(例 上記の例 3月決算 5月15日に大阪市から神戸市に移転)
● 4月末(前月末)時点の大阪市の従業者数÷12か月×2か月
(端数日数は切上)
● 3月末日(決算期末)の神戸市の従業者数÷12か月×11か月
(端数日数は切上)
従業者数が小数点以下の場合は、切上します(1人としてカウント)。
まずは無料面談からお話をお聞かせください。
どんな些細なお悩みでも結構です。
お電話お待ちしております。