税金の豆知識
Q36 青色専従者給与・白色専従者控除って
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事業者は、自分自身に給料を支払って経費にすることはできません。また、奥様に給料を渡しても、原則的には必要経費にすることができません。
しかし、例外的に、奥様等に渡す給料に関しては、経費に算入できる制度があります。「青色事業専従者給与」「専従者控除」と呼ばれるものです。
奥様への給料が必要経費に算入できれば、その支払額だけ所得を減らすことが可能ですね。例えば、月額5万円支払うと年間60万円の必要経費の計上ができますので、所得が60万円縮小できます。
奥様がこの収入だけであれば、「給与所得控除」を差し引くと、所得が0になりますので、
奥様には所得税もかかりません。
控除額
(1) 青色申告者の場合(青色事業専従者給与)
実際支払った給与の額
(2) 白色申告者の場合(専従者控除)
次のどちらか低い金額
① 事業主の配偶者・・86万円
それ以外・・1人につき50万円
② この控除をする前の事業所得等の金額÷(専従者の数+1)
要件
(1)青色申告者の場合(青色事業専従者給与)
① | 青色事業専従者(注1)に支払われた給与であること |
---|---|
② | 「青色事業専従者給与に関する届出書」(注2)を、所轄税務署長に提出 |
③ | 届出書の記載方法で支払われ、かつ記載金額の範囲内で支払われたもの | ④ | 労務の対価として相当な金額であること(過大部分は×) |
(注1)提出期限は、専従者給与を支払う年の3月15日まで
(その年の1月16日以後開業された場合や、新たに専従者が増えた場合は、その日から2か月以内)
(注2)青色事業専従者は、次の要件すべてを満たす人
青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族で、
その年の12月31日現在で年齢が15歳以上
その年を通じて6月を超える期間、その青色申告者の営む事業に専ら従事
(2) 白色申告者の場合(専従者控除)
① | 白色申告者の営む事業に「事業専従者」(注3)がいること |
---|---|
② | 確定申告書の「専従者控除」欄に記載(事前の届出は必要ありません) |
(注3)「事業専従者」は、次の要件すべてを満たす人
白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族で、
その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事し
ていること。
配偶者控除や扶養控除との関係は?
「青色事業専従者」や「白色申告者の事業専従者」の人は、「控除対象配偶者」や「扶養親族」になれません!
例えば、青色事業専従者給与を合計所得金額が38万円以下(年収ベースで103万円以下)になるように支給しても、どちらか一方だけしか適用できません。
したがって、これらの届出書を提出して支給をしてしまうと、配偶者控除や扶養控除の適用が受けることができなくなりますので、これらのデメリットも考慮に入れて総合的に判断しましょうね。
「専ら従事」って?
青色でも白色でも、「専ら従事」っていう要件がありますが、これはどういう意味でしょう?例えば・・奥様が他に副業をされている場合はどうでしょう?
●「 専ら従事」とは、その年を通じて6か月を超える期間 (一定の場合には、事業従事期間の2分の1を超える期間)
⇒つまり、「副業」しているからといって、必ず「専ら従事」の要件を満たさないわけではありません。
目安は、副業金額ではなく、「従事する期間」である点にも注意しましょう。
給料の額はいくらにする?
「同業種の給料」等を参考に決めるのが一般的ですが、月88,000円を超えると、年間103万以上の収入が見込まれるため(所得税が発生)、毎月源泉徴収の対象になる点、注意しましょう。
(ただし、住民税が課税される収入はもう少し低いので、住民税も考慮して月80,000円くらいに設定されるケースも多いです)。
参照URL
(青色事業専従者給与と事業専従者控除)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm
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