税金の豆知識

Q114 「雑所得」と「一時所得」の違いは?

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Q114 「雑所得」と「一時所得」の違いは?

所得税は、所得の種類に応じて10の区分が設けられています。
特に「雑所得」と「一時所得」は・・区分が難しく、迷われるケースも多いです。

今回は、判断に迷いやすい「雑所得」と「一時所得」を、比較してみました。

 

1. 雑所得・一時所得の比較

 

雑所得 一時所得
どんなもの 他に分類することのできない所得全て 「一時的」に得られた収入。
イメージは臨時収入的なもの
例示

① 副収入(事業的規模除く)
● 講演料や原稿料、印税など
● ネットで稼いだ収入
● 専業主婦のお小遣い稼ぎ
● 友人等への貸付利子

② 公的年金
一般的な年金は、「雑所得」になります。また、保険会社などを通して加入する「個人年金」なども、「雑所得」となります。

FXや仮想通貨(事業的規模除く)
仮想通貨については、先日国税庁より「雑所得」に該当するという発表があったばかりですね。

● 懸賞金(賞品相当額含む)
● 競馬の当選金
● 保険金や損保の一時金・満期返戻金
● 法人からの贈与金品(個人は除く)。ポイントで交換した景品相当額等。
● 家屋の立退料、解除償還金
● 謝礼(報酬的なものを除く)

課税対象額 収入額-必要経費(年金の場合は公的年金等控除額)。特別控除はなし (収入-支出金額-特別控除額)×1/2
⇒特別控除額は最高50万円
課税方式 原則「総合課税」となります。
ただし、FXや先物取引等は「分離課税」となります(今はやりの仮想通貨、ビットコインなどは総合課税)。
「総合課税」となります
(源泉分離課税取引を除く)
経費(支出) 認められます(年金は公的年金等控除額)。ただし、事業所得と比べると範囲は狭いです。

● 「専従者給与」はなし
● 家事按分経費は、事業遂行上必要な部分が明確に区分できる場合のみ

認められますが、事業所得や雑所得と比べると範囲は狭いです

● 「支出」の範囲は、その収入を得るために支払った「直接的に負担したもの」のみ

損益通算 認められません 認められません

● 雑所得・一時所得とも、内容により、「非課税」になるものもありますので、
  名称だけで判断すると誤ります。例えば、遺族恩給や遺族年金(雑所得っぽい)、
  損害保険や生命保険保険金で一定のもの(一時所得っぽい)は、非課税
になります。

● 講演料(雑所得)や、満期保険金(一時所得)などは、支払者(保険会社等)から
  税務署に報告されていますので(支払調書)、申告しないと、ばれる可能性大です。

● 参考ですが・・「宝くじの当選金」は非課税となります。

 

2. 扶養との関係は?

例えば、扶養親族の奥様自身が、賞金(一時所得)に当選した場合や、FX(雑所得)などで儲かった場合を考えてみます(株の売却収入(譲渡所得)も同様)。

この場合・・奥様は、旦那様の「扶養」から外れる可能性はあるのでしょうか?

答えは、扶養範囲内の所得金額を超えると・・扶養から外れます。

一時所得も、雑所得も、扶養可否の判断基準となる「合計所得金額」に含まれます。つまり、これらの所得が38万円を超えるかどうかで判断します。

ただ・・「一時所得」の場合は、特別控除(50万円)差引後に1/2した金額に課税されますので、結構な賞金が当たらないと扶養からは外れないでしょうけど!

 

3. 雑所得と事業所得との違い

副収入やFX(雑所得)で生じた所得でも、事業として行う場合には「事業所得」となります。

 

4. 雑所得同士の内部通算は?

「雑所得」や「一時所得」は、他の所得区分との「損益通算」はできません。

また、同じ雑所得同士でも、「総合課税」と「分離課税」は、完全に区分されますので、「総合課税」と「分離課税」の雑所得同士を「内部通算」することもできません
(総合課税内部、分離課税内部での「内部通算」は可能)

(例)
先物やFX収入(申告分離課税の雑所得)⇔仮想通貨収入(総合課税の雑所得)
⇒内部通算不可。

しかも、FXや仮想通貨の売却は、株式の売却と異なり、売却時に源泉所得税も差し引かれていませんので、申告がもれると納税がもれてしまうことになります。

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