税金の豆知識

Q89 有価証券を売却した場合の消費税仕訳 / 会計処理

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Q89 有価証券を売却した場合の消費税仕訳 / 会計処理

前回、有価証券の譲渡は「非課税売上」となり、課税売上割合の計算上は、「譲渡額の5%」だけを「分母」に含めればよい!というお話をしました。

では、実際、有価証券を売却した場合の「仕訳」はどういう仕訳になるのでしょうか?

例題を用いて解説します。

 

1. 消費税上の取扱い(おさらい)

有価証券を売却した場合、売却額の5%部分だけが「課税売上割合」に影響

 

2. 売却益の場合

(例)簿価500の有価証券を1,000で売却、売却手数料100とする。

売却益の場合

 

(1) 会計ソフトでの自動仕訳

一般的な会計ソフトでは、「有価証券」や「有価証券売却損益」の科目は「課税対象外」や「非課税」などに設定されています。つまり、普通に仕訳をしただけでは、売却額の5%部分だけの「非課税売上」を認識してくれません。

売却益の場合の、会計ソフトでの「自動仕訳」は以下のようになります。

 

借方 貸方
ソフトでの自動仕訳 現金

支払手数料(※1)

仮払消費税(※1)

892

100

8

有価証券(対象外)

有価証券売却益(対象外)

(※2)

500

500

(※1)売却手数料には「消費税」かかります。

(※2)有価証券の売却には「消費税」はかからないので、仮受消費税はでてきません。

 

(2) 非課税売上5%を認識する仕訳

そこで、上記の自動仕訳に追加で、「以下の仕訳」をマニュアルで入力します。

(やり方は、いろいろあると思いますが)

 

借方 貸方
マニュアル追加仕訳 有価証券(対象外) 50 有価証券(非課税売上) 50

(※)1,000円(売却額)×5%=50

この例では、売却額が1,000と記載されてるので把握しやすいですが、実際は入金額892+支払手数料(税込)108で1,000と求められます。

 

3. 売却損の場合

(例)簿価500の有価証券を200で売却、売却手数料100とする。

売却益の場合

 

(1) 会計ソフトでの自動仕訳

一般的な会計ソフトでは、「有価証券」や「有価証券売却損益」の科目は「課税対象外」や「非課税」などに設定されています。つまり、普通に仕訳をしただけでは、売却額の5%部分だけの「非課税売上」を認識してくれません。

売却損の場合の、会計ソフトでの「自動仕訳」は以下のようになります。

 

借方 貸方
ソフトでの自動仕訳  現金

支払手数料(※1)

仮払消費税(※1)

有価証券売却損

92

100

8

200

有価証券(※2) 500

(※1)売却手数料には「消費税」かかります。

(※2)有価証券の売却には「消費税」はかからないので、仮受消費税はでてきません。

 

(2) 非課税売上5%を認識する仕訳

そこで、上記自動仕訳に追加で、「以下の仕訳」をマニュアルで入力します。

(やり方は、いろいろあると思います)

 

借方 貸方
マニュアル追加仕訳 有価証券(対象外) 50 有価証券(非課税売上) 10

(※)200円(売却額)×5%=10

この例では、売却額が200円と記載されているのでわかりやすいですが、実際は入金額92円+支払手数料(税込)108で200と求められます。

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