税金の豆知識
Q41 資本金の額と税金への影響
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最近、新聞等で「資本金」の話題がよく出てきますね。
例えば、シャープさんや吉本興業さんが「資本金1億円以下への減資を検討」なんていう記事も、よく目にするようになりました。
でも・・何でこんなことをするのでしょう?疑問に思う方も多いかもしれません。
実は、「資本金の額」や「資本金等の額」によって税金にいろんな影響があるからですね。
今回は、資本金ごとに、税法上の取り扱いをまとめてみました!
(なお、「資本金」とは、単純に、会計上の「資本金」をさし、「資本金等の額」とは、資本金+資本準備金も含みます。例えば、均等割の基準は「資本金等の額」で判断します。
「資本金等の額」の詳しい内容については、こちらご参照ください。)
1.1,000万円を基準とした影響
(1) 消費税の納税義務
原則として、会社設立後2期間は消費税を
納める必要がありませんが、
資本金1,000万円以上で設立した場合は、
1期目から消費税の納税義務が生じます。(注)
(注)会社法上、出資額の1/2までは資本金に組み入れないことが認められますので、払込額が1,000万円以上でも、資本金を1,000万未満にして免税事業者になることは可能です。
(2) 住民税均等割
法人は、赤字でも毎年「住民税均等割」という税金を支払う必要があります。
「資本金等の額」が1,000万円超になれば、均等割負担が年間10万円程度増えます。
なお、均等割を判断する際の注意点は、「資本金額」そのものではなく、「資本金等の額」で判断する点です。
「資本金等の額」は、資本金だけでなく資本準備金も含まれますので、例えば、資本金が800万でも、資本準備金が400万あれば、資本金等の額は1,000万円を超えますので、均等割の金額があがります。
2. 3,000万円を基準とした影響
資本金3.000万円以下の法人は、「中小企業者等が機械等を取得した場合等の特別控除」という制度があります。
取得価額の7%(MAX法人税額の20%)を法人税額から直接控除できます。
これは、所得控除と異なり、直接税金を減らしてくれるので節税効果が高いですね。
例えば、1,000万円の機械の場合は、1,000万円×7%=70万円も法人税が安くなります。
3. 1億円を基準とした影響
資本金1億円以下の法人は「中小企業者」「中小法人等」と呼ばれ、様々な特例が受けられます。主なものは以下の通りです。
・ 法人税の税率が低い(年800万以下の所得は15%)
・ 年間800万円以下の交際費は、全額経費OK
・取得価額30万円未満の少額減価償却資産の損金算入 、欠損金の繰戻還付等
4.まとめ
上記を踏まえると、税務上は、資本金の額は1,000万円未満にするのが一番よさそうですね。また、均等割への影響を考えると、資本準備金も含めて「1,000万以下」に抑えるのがお得なようです。
ただし・・「資本金」というのは、「信用力」にも影響してきますので、節税の論点だけでなく、貴社のビジネス等も総合的に勘案して、慎重に決定しないといけません。
参照URL
(基準期間がない法人の納税義務の免除の特例)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6503.htm
(中小企業等投資促進税制)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5433.htm
(中小企業者の少額減価償却資産)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
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