税金の豆知識

Q93 16歳未満の扶養親族と住民税の関係は??

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Q93 16歳未満の扶養親族と住民税の関係は??

16歳未満の扶養親族は、「年少扶養親族」と呼ばれています。
今回は、「年少扶養親族」と、「住民税」の関係をまとめます。

 

1. 税金はどうやって計算する?

まず、簡単に、所得税・住民税の計算方法を記載します。
所得税・住民税は、収入金額全額に課税されるわけではなく、「課税所得」を算定して、この「課税所得」に対して税金がかかります。

「収入」と「課税所得」の関係は以下の通りです。

 

課税所得=収入ー経費ー所得控除

 

税金の対象となる「課税所得」を算定する際には、収入から、「経費」と「所得控除」を差し引いてくれるんですね。

上記式の中ででてくる・・「所得控除」っていうのは、各人の状況によって税金を安くしてくれる「所得税の恩典」のようなものです。

「所得控除」の一番有名どころは、「扶養控除」ですね。
「扶養親族」がいればいるほど、「課税所得」が低くなり、税額は安くなっていきます(扶養控除の額 所得税38万円/1人、住民税33万円/1人)。

 

2. 年少扶養親族は扶養控除?

ただし、平成22年度税制改正により、「扶養親族」のうち16歳未満の「年少扶養親族」は、所得税、住民税とも「扶養控除」を行うことができなくなりました。
児童手当(子供手当)が創設された関係で、制限されてしまったんですね。

後から登場する「非課税限度額」と混乱しないように、先に強調しておきますね。

現在は、所得税・住民税とも「扶養控除」ができない点は共通しています。

 

3. 住民税の非課税限度額って?

上記「扶養控除」とは全く別の制度として、住民税だけに特別の制度があります。
「非課税限度額」という制度です。
住民税上、所得が「非課税限度額」に収まる場合、課税されません。
上記の「非課税限度額」と比較する概念は、「課税所得」ではなく「所得」である点、注意しましょう。

 

・おさらい 課税所得=収入ー経費ー所得控除
・上記式中の「収入―経費(所得控除差引)」→所得と呼ばれます。
・なので・・課税所得=所得-所得控除となります。

 

この「住民税非課税限度額」は、単に「所得の額が00円以下の場合は、住民税がかからない」という意味にすぎません。
よく誤解されるのですが、住民税の計算上、「非課税限度額」を、所得から差しひいて計算するわけではありませんので、「扶養控除」とごっちゃにしないように!

 

4. 住民税の非課税限度額の計算

(1) 非課税限度額

本人と扶養親族には、それぞれ1人あたり35万円の非課税枠があります。しかも、配偶者や扶養親族が1人でもいれば、更に21万円加算することができます
(神戸市の場合です。加算額は市によって異なります)。

 

非課税限度額 計算
本人のみ 35万円 35万円×1人
本人+配偶者 91万円 35万円×2人+21万円
本人+配偶者+扶養親族 126万円 35万円×3人+21万円

所得が、上記「非課税限度所得」内に収まれば、住民税は、所得割・均等割ともかかりません。
繰り返しますが、「課税所得」ではなく、「所得」(所得控除差引前)です。

 

(2) 年少扶養親族の取扱い

実は・・この非課税限度額を計算する際に登場する「扶養親族」には、16歳未満の「年少扶養親族」を含めることができます。
つまり。16歳未満のお子様は、所得から差し引く「扶養控除」としてはカウントできませんが、住民税の「非課税限度額」のカウントには入れることができるんです。

なので・・「16歳未満の扶養親族」がいる場合は、ちゃんと記載しておかないと、住民税が多く取られてしまう可能性がありますので・・必ず記載しましょう!

 

(3) どこに記載するの?

サラリーマンの場合、毎年、11月頃に会社に提出する「扶養控除等申告書」の一番下の欄(住民税に関する事項)に、「16歳未満の扶養親族」を記載します。確定申告の方は、第二表「住民税・事業税に関する事項」の欄に記載します。

次回は、「住民税の非課税限度額」を「具体的な数値」を用いて解説します。

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