税金の豆知識

Q54 個人事業主の自宅家賃や減価償却は経費にできる?

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個人事業主の自宅家賃や減価償却は経費?

個人事業主の中には、自宅でお仕事をされている方もおられると思います。自宅を事務所にされている場合には、支払家賃を経費で落とせるんでしょうか?
答えは・・事業で利用されているのであれば、経費で落とせます
でも、事業で利用している部分を算定しなければいけません。

1. どんなものが経費になるの?

家賃や共益費、敷引、水道光熱費、火災保険料などですね。その他、事業で利用している車両費や駐車場代、携帯電話代も同様に、経費で計上できます。

2. 按分方法

業務で利用している割合を算定して按分します。例えば、家賃が10万で、業務利用割合が50%だと、単純に5万円となります。
でも・・業務利用割合って、どうやって算定するんでしょうか?

代表的な方法は、床面積で割合を求める方法です。仕事・プライベートそれぞれのスペースを決めて、床面積で按分します。共用部分(廊下やトイレ等)は、上記面積比率で按分します。水道光熱費も同様ですね。
ただし、もちろん実態に応じてです!自宅なのに、9割が仕事用で1割がプライベートなど・・明らかにおかしいと思われる場合は、否認されるおそれがありますので、注意です。

電話料金はちょっとややこしいですが、事業用の通話分がわかる根拠があるとよいですね。例えばですが・・24時間×31日=744時間/月のうち、就業時間が154時間であれば、154時間÷744時間も1つの根拠になるかもしれません。

3. 持ち家の場合は?

考え方は賃貸の場合と同様です。建物減価償却費、管理費、住宅ローン利息、固定資産税、火災保険料等が対象となります。総額のうち事業利用割合分が経費となります。

(注意事項)
 ・持ち家の場合は、住宅ローンの返済額は経費ではありません。
  (あくまで借金の返済で、経費にはならない)

 ・住宅ローン減税を受けている場合は、
  「床面積の2分の1以上が専ら自己の居住用に供するもの」
  必要があります。
  つまり、50%以上事業用(床面積)で利用していれば、
  住宅ローン減税が受けられなくなります。

4. 法人の場合

(1) 個人名義の賃貸借契約の支払賃料は、法人経費にできる?
個人名義(社長等)の賃貸借契約で個人が支払っている賃貸料を、法人側で経費にできたりするんでしょうか?

答えは、法人が個人に支払えばその分は経費にできますが、個人側で受取家賃を計上しないといけないので(不動産所得)、注意点がいろいろあります。

下記ご参照ください。

(賃貸の場合)

経理処理 効果
個人 ・受取家賃収入計上
・支払家賃経費計上
結果±ゼロになるため、
税金は発生しない
法人 ・支払家賃経費計上 支払家賃分、税金は安くなる

(持ち家の場合)

経理処理 効果
個人 ・受取家賃発生
・減価償却費等計上
家賃の額によるが、トータルでは相殺
されるため、税金影響は小
法人 ・支払家賃経費計上 支払家賃分、税金は安くなる

(2) 注意事項
 ・個人側では受取家賃が発生しますので、確定申告
  しなければならない点、注意しましょう

 ・法人と個人との間で、不動産賃貸借契約書を締結しておきましょう。

 ・賃貸借契約(個人契約分)は、
  第三者(法人)に転貸を認めてくれない家主さんも多いので注意です。

 ・自宅が事業所となると、法人県民税・市民税の均等割負担が増える可能性があります
  (「均等割」の納税義務者は、県内や市内に事業所を有する法人)。

(3) 法人名義の賃貸借契約を、個人に貸す場合は?
法人税の社宅制度の論点となります。社宅扱いになると、個人に所得税がかかりません。
詳しくは、Q38をご参照ください。

5. ご参考~青色申告と白色申告での取扱いの違い(個人事業主)

青色申告者と白色申告者で、「業務関連費用を経費にできるかどうか?」の税法上の取扱いのニュアンスが、若干異なります。

(1) 青色申告
  業務の遂行上、直接必要なことが明らかな部分は、経費にできます。
(50%未満でも可)

(2) 白色申告
 ・主たる部分が事業用かつ
 ・その部分が明らかに区分できる場合(※)は、経費にできます。
(原則50%以上)

(※)原則50%以上業務に使っているかどうかで判断します。
青色申告よりは厳しくなっていますね。
(ただし、50%以下でも、業務必要部分が明らかに区分可能ならOKとも書いています) 。

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