税金の豆知識

Q48 転職等の場合の扶養控除等申告書、所得税、年末調整、確定申告

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転職等の場合の扶養控除等申告書、源泉所得税、年末調整、確定申告の関係

年途中で転職等をされた場合、新たな就職先から扶養控除等申告書の提出が求められる場合があります。前職で提出済なのに、改めて新しい職場にも再度提出するのでしょうか?

扶養控除申告書を提出すると、以下の効果があります。

 

提出先で、年末調整してくれます
毎月の源泉所得税の額を安くすることができます(甲欄といいます)。
⇒提出していない場合は、高い源泉所得税が引かれます(乙欄といいます)。

 

転職等の場合の扶養控除等申告書、源泉所得税、年末調整、確定申告の関係

提出するだけでさまざまなメリットがありますので、扶養控除等申告書は必ず提出しておきましょう!

今回は、いろんなパターンで、扶養控除申告書の提出先、源泉徴収税額、確定申告の関係をまとめました。

1. A社、B社2か所同時に働いている場合は?
(年末はA社(主)、B社(バイト)に在籍)

扶養控除申告書は、2か所同時に提出できません。したがって、主たる勤務先A社以外に、同時にパート先B社でも働いている場合は、主たる勤務先A社のみに提出します。
この場合の源泉所得税、年末調整、確定申告の関係をまとめると、以下のとおりです。

年末調整の対象となる収入は、オレンジのマーカーをつけています(以下同様)。

毎月の源泉所得税 年末調整 確定申告
A社
(扶養控除申告書提出済)
甲欄 必要
B社
提出不可
乙欄

A社に扶養控除申告書を提出し、年末まで在籍していますので、A社で年末調整してくれます。ただし、年末調整の対象はあくまでA社での収入部分(甲欄・主たる給与)だけですので、B社での収入部分(乙欄・アルバイト代)は、年末調整してくれません。

したがって、結論、この方はA社、B社の収入を合わせて、確定申告が必要となります。
 

2. 年途中でA社からB社に転職した場合は?(年末はB社(主)のみ在籍)

扶養控除等申告書を、当初A社に提出していても、B社転職時には、改めてB社にも提出できます(=2か所同時ではないので)。まとめると以下の通りです。

毎月の源泉所得税 年末調整 確定申告
転職前 転職後
A社
(扶養控除申告書提出済)
甲欄 不要
B社
(扶養控除申告書提出可
甲欄

B社では、A社勤務時の収入(甲欄・その時点の主たる給料)も含めて年末調整してくれますので、年末調整のみで所得は確定し、結論、この方は確定申告不要となります。

また、B社での年末調整用に、A社時代の源泉徴収票を入手して、B社に渡しましょう。

3.年途中でA社からB社に転職したが、引き続きA社でアルバイトするケース
(年末はA社(バイト)、B社(主)に在籍)。

主たる会社は、当初A社、転職後はB社となりますので、まずは、A社で扶養控除等申告書を提出し、転職後も改めてB社に提出可能です(注)。

(注)B社転職後も、引き続きA社でアルバイトをしていますが、A社はアルバイトですので、転職後は、B社を主たる会社として、扶養控除等申告書を提出できます
(提出した時点で、以前A社に提出した扶養控除等申告書の効力はなくなります)。

ただし、B社転職後は、2か所から収入を得ているため、毎月の源泉所得税の差引額等は、少し注意が必要です。以下の通りとなります。

毎月の源泉所得税 年末調整 確定申告
転職前 転職後
A社
(扶養控除申告書提出済)
甲欄 乙欄 必要
B社
(扶養控除申告書提出可
甲欄

B社に扶養控除等申告書を提出し、年末在籍していますので、B社で年末調整可能です。
この場合、B社では、前職分(A社分)も含めて年末調整してくれますが、あくまで、A社収入の転職前の部分(甲欄・その時点の主たる給与)だけで、転職後の部分(乙欄・アルバイト代)は対象となりません(注)。

つまり、たとえ、B社で年末調整してもらえたとしても、A社の乙欄(アルバイト部分)は年末調整できていませんので、結論、この方は確定申告をしなければなりません。

(注)B社で年末調整をする際は、A社の収入のうち、転職前の部分(甲欄・その時点の主たる給料)が必要となりますので、この方は、A社から、甲欄分、乙欄分それぞれの源泉徴収表を入手し、甲欄分だけをB社に渡して年末調整してもらうことになります。
 

4. A社からB社に転職したが、転職前からB社でアルバイトしていたケース
(年末はB社(主)のみ在籍)

B社に扶養控除申告書を提出し、年末在籍していますので、B社で年末調整可能です。
なお、B社では、A社での転職前収入(甲欄・正社員部分)も含めて、年末調整可能です。

毎月の源泉所得税 年末調整 確定申告
転職前 転職後
A社
(扶養控除申告書提出済)
甲欄 不要
B社
(扶養控除申告書提出可
乙欄 甲欄

先ほどの事例(B社転職後にA社でアルバイトするケース)と異なるのは、B社転職前のB社給料(乙欄・アルバイト代)も、B社で年末調整してくれる点です。
乙欄・アルバイト収入とはいえ、年末調整をするB社自身から支払われている分ですので!

この場合は、年末調整のみで所得は確定し、結論、この方は、確定申告不要となります。

また、B社での年末調整用に、A社時代の源泉徴収票を入手して、B社に渡しましょう。

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