税金の豆知識

Q35 申告義務のある人って?

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確定申告

サラリーマンの方は、勤めている会社が年末調整してくれますが、フリーランスの方は、原則として毎年「確定申告」が必要となります。でも・・例外ってあるのでしょうか?
フリーランスでも確定申告しなくてよい人?がいるのかどうか!

今回は、「確定申告しなくてもいい人」をまとめてみました。

 

申告義務のある方って

所得税では、「確定申告をする必要がある人」は、以下のように決められています。

原則・・その年の「所得金額の合計額」が「所得控除の合計額」を超える場合で、その超える額に対する税額が、配当控除額と年末調整の住宅借入金等特別控除額の合計額を超える人

 →一般の方には・・わかりにくい書き方ですね。。。

所得税っていうのは、収入に対してかかるわけではなく、所得に対してかかります。
所得は以下の式で表されます。

所得=収入-経費ー各種所得控除

収入から経費や所得控除を差し引いて、所得がゼロの方は、確定申告は必要ありません。

では・・所得控除って何でしょう?
 

基礎控除 まず、どんな人でも38万円の所得控除(基礎控除)があるので、収入が38万円以下の人は申告義務自体がありません。
例えば、ネット事業を始めたけど、結局経費がかかって赤字でした!みたいなケースです。
その他の控除 また、基礎控除38万円以外にも、差し引けるいろんな「所得控除」があります。
例えば、生命保険料の支払が4万円以上ある方だと、収入が42万円以下(38万円の基礎控除+4万円の生命保険料控除)であれば申告義務がありません。

 

つまり、申告義務が生ずる金額は、みなさんの状況に応じた「所得控除」の有無によって異なってきます

実際は申告している人が多い?

ただ、現実的には、所得ゼロでも申告されている方は多いです。
これは、以下のような所に理由があるのかもしれません。

   確定申告をすることで税金が返ってくる場合がある。
    (収入から源泉徴収されている場合や、医療費控除を受ける場合など)

   青色申告恩典(損失繰越、青色申告特別控除等)を受けるには確定申告が必要。

   株式等の譲渡損失の繰越控除を受けるためには、確定申告が必要。

   銀行融資等を受ける場合には、確定申告書等の提出を求められる場合がある。

   住民税の計算は、所得税の計算と控除額などが微妙に異なる
    (例 課税最低限35万円、所得控除を差し引く規定はありません)。

   所得税の申告書を提出すれば、住民税の申告を別途行う必要はないため、
    住民税申告書の代わりに所得税申告書を提出する場合が多い。
     (住民税の申告は、所得証明や非課税証明などを発行してくれる元になります)

副業の人はどうなるの?

副業の人はどうなるの?

サラリーマンの方で、副業収入がある方はどうなるのでしょう?
「副業収入が20万以下なら確定申告はいらないんじゃ?」
って話は聞かれたことがあるかもしれません。

給与収入の方で、確定申告しなくてよい人は以下のとおり。

「給与の収入金額が2,000万円以下、かつ1か所から給与等の支払を受けており、その給与全部について源泉徴収される人で、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下の人」

留意点

   「1カ所からだけ給与の支払を受けている」ことが条件です。
    2か所から給与の支払を受けている方は、原則的には確定申告が必要となります。
    (例外もあります・・下記参照)

   同族会社の役員などが、その同族会社から役員給与(給与所得)のほかに
    貸付金の利子や不動産の賃貸料などを受け取っている場合には、
    これらの所得金額が20万円以下であっても確定申告が必要になります。

   住民税は、この20万円以下の例外規定がありません。

2か所以上から給与の支払を受けている場合は、必ず確定申告が必要?

2か所以上から給与の支払を受けている場合は、必ず確定申告が必要?

 

2か所以上から給与の支払を受けている人でも、そもそも、上記「申告義務のある方って」で記載した要件に当てはまらない方は、確定申告不要です。
例えば、2か所合計給与から各種所得控除等を差し引いたらマイナスの人です。
また、主たる給与以外の給与の収入金額と、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が 20万円以下の方は、確定申告不要となります。
例えば、主たる給与給与500万、副業による所得20万のケースなどですね。

 

ご参考

ここからは、関係ない人は読み飛ばしてもらってもかまいません。
少し細かい規定にはなりますが、こんな例外規定があります。

「給与所得」の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。

   例えば、次の3つの所得がある場合を例にします。

① 主たる給与の所得(年末調整済)200万
② 主たる給与以外の給与(収入金額)20万
③ 給与所得及び退職所得以外の所得(事業、不動産、雑所得等)18万

社会保険料控除が80万円あるとします。主たる給与以外②と③の合計額38万円>20万円ですので、原則、確定申告すべきことになります。しかし、主従の給与所得の合計は220万円(①200万円+②20万円)。そこから所得控除(社会保険料控除)80万円を差し引くと140万円、つまり150万円以下となります。
その場合は、③の金額だけで判断しても良いということですので、③の金額18万円≦20万円なので、確定申告しなくても良い、という事となります。

この例では、主たる給与以外の②と③の合計は20万円を超えているにもかかわらず、この規定により、確定申告の必要がないということになります。

この例外規定を最初に読んだときには、私自身も理解が難しかったです。
例えば、2か所以上でバイト等をされていて、どこからも年末調整をされずに、毎年合算して確定申告されている方も、所得控除を差し引いた最終合計所得金額が150万円以下になるのであれば(他に所得がない場合は)確定申告が不要なのかな?と勘違いしていました。

しかし、この規定は、主たる給与で年末調整をしていることが前提の規定なんです。

年末調整未了のパート収入が複数あって、(所得控除をさしひいて)たとえ150万以下になるからといって、

確定申告しなくてよいという規定ではありません。

年金受給者で確定申告不要の人は?

公的年金収入がある方で、公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合は、確定申告の必要がありません(なお、平成27年分以後、源泉徴収の対象とならない公的年金等の支給を受ける者は、上記の適用ができません。)

(参照URL)

(確定申告をする必要がある人)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm

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